世界一周48日目(ゴレ島)

 本日は一人で「負の世界遺産」のゴレ島へ行ってきた。ゴレ島行きの船に乗る前に独立広場とダカール駅に寄る。独立広場は、付近に空港行きのバス停があるのではと思っていってみたが、バス停らしきものは全くなかった。ダカールのバスルートは未だに全く分からない。銀行が数多くあり、ATMもあった。

 ダカール駅は大変きれいになっており、朝は10分おきに列車が到着していた。ダカールの交通渋滞がひどいため、今後の鉄道網拡充が期待される。
 ゴレ島はセネガル最大の観光地にため、船乗り場には白人の姿も多かった。往復運賃が外国人大人が5,200セーファ(約1,300円)で、子供やセネガル国民は各々半額になる。イランでは外国人とイラン人で入場料が10倍ほど違ったが、ゴレ島はまだ良心的だ。これに入島料らしき500セーファ(約120円)が別途必要だ。船の中は満員で、立っている人もいた。

 30分ほどでゴレ島に着く。ネット情報で「奴隷の家は説明文も少ないため、現地ガイドを頼んだ方が理解できる。」とあったため、英語ガイドを依頼した。島に入ったところに受付カウンターがあり、2時間弱で8,000セーファ(約2,000円)。これに奴隷の家の入場料1,500セーファ(約400円)がかかる。ガイドは奴隷の家に行く前にセネガルの歴史や奴隷の歴史、ゴレ島の現状などを話してくれ、丘の頂上なども案内してくれる。ゴレ島の観光地図などもないため、なかなか自力での島の観光は難しそうだ。教科書などでもフランスやヨーロッパ視点での歴史のみで、セネガルやアフリカ視点での歴史が語られることは少ない。その意味でもガイドを依頼した意味があった。私が以前行ったタンザニアなど東アフリカの奴隷は、アラブ人が、セネガルなど西アフリカの奴隷はヨーロッパ人が、アメリカ大陸へ売り飛ばした。そんなひどいことをされても、今でもセネガルなど西アフリカ諸国の人はフランスやフランス人に憧れており、フランス国家やフランス人が経営する会社に富を搾取されている。原爆を落とされてもアメリカに憧れを抱いている日本人と同じか。丘の頂上からはゴレ島やダカール市街がよく見える。

 最後に訪れた奴隷の家は、狭い部屋にほとんど1日中立った状態で3か月も奴隷が収容され、身体の頑丈な奴隷だけがアメリカ奴隷商人に売られる。残りの奴隷は海へ捨てられる。若い女性の奴隷は、白人のオーナーの相手をさせられる。昔とはいえ、ひどいことをするものだ。

あくまで私見だが、白人たち(欧米人)は黄色人や黒人(アラブ人やインド人などの欧米人以外も)を人間と見ていないのではないかと思う。海外旅行のバスツアーなどでも欧米人同士はすぐに話すが、欧米人から黄色人や黒人に話しかけてくることは滅多にない。欧米がウクライナを助けるのも、ウクライナ人が欧米人だからで、アフリカや中東などで同じことが起きても、そこまで欧米が助けるかは疑問だ。今回の黒人奴隷や植民地支配も、ここまでひどいことができるのは、自分たちと同じ人間とは思っていない(動物の1種扱い)からではないか。
 ガイドツアー後は、船着き場近くのレストランで、焼き魚を食べてガゼルビールを飲んだ。ゴレ島に来たからには魚をと思って注文したが、焼き魚は前日のラックロースで食べたものと同じだった。なんか複雑。ガゼルビールも大ビンだった。

 ゴレ島行きの船に乗る前にダカール空港のバゲージクレームに電話したら、「荷物は見つかったが、まだダカール空港に着いていない。おそらく今日の飛行機で着くのではないか。」と言っていたが、その後届いたメールを見ると、既にダカール空港に着いているようである。念のため、再度バゲージクレームに電話すると、やはり空港についているそうだ。ゴレ島からダカールに戻ってからタクシーで空港へ行って荷物を受け取ろうかとも思ってタクシーを拾ったが、ドライバーがフランス語も通じず、ウォロフ語しか通じない。今なら空港まで何時間かかるかを聞くこともできず、この渋滞状況だとバゲージクレームが閉まる18時に間に合わないかもしれない。価格交渉で宿泊先の主人に聞いた片道22,000セーファ(約5,500円)かと思ったが、ドライバーが3万セーファ(約7,500円)から下げてこない。海外保険の請求に必要な領収書もドライバーに通じない可能性が高いため、本日の空港行きは取りやめた。バゲージクレームに「明後日朝に飛行機に乗るため、その時に荷物を受け取ってもいいか?」と聞くと、「それでいい」と言うので、あと2日間荷物無しで我慢し、空港への往復費用と時間を節約することにした。(出国当日に荷物がうまく引き取れないリスクはあるが。)
 まだ夕食には早いが、そのままガイドブックに載っていた独立広場前のランペリアルに入る。ここは生ビールが飲めた。牛肉を頼んだら普通のステーキだった。値段は生ビール大ジョッキが3千セーファ(約750円)で牛肉ステーキが8千セーファ(約2千円)と、日本とあまり変わらなかった。スーパーの価格を見ても、特に加工食品は輸入しているためか、日本より高いくらいだった。

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